2017/10/09

事故から1年。スピンに入らない機体はありません。

昨年の関東学生グライダー競技会の早稲田大学の事故から1年。
どうにか今年の関東大会開催の運びになりました。


この1年でいろいろな方と情報を交わす中で、教官、学生ともに誤認が
多いなと感じた事、それが「スピンに入らない機体」という間違った知識です。


スピンに入らない機体はありません!


ただ、「スピンに入りにくい」は存在します。
事故機のLS4(JA22WP)もその1つですし、身近な訓練機ASK-21もそうです。


問題なのは『入りにくい=入った事がない=入らない=安全』という
過剰な信頼が広く浸透していること。


若輩ながら、複数機種で100回以上スピンの指導をした経験がありますが、
スピンに入りやすい機体(例えばASK-13)は、回復もしやすいです。

一方で、クラブ・クラス、スタンダード・クラスと性能が上がるにつれて、
スピンに入りにくく、一方で回復が難しくなります。入らないではないのです。
条件が揃うと間違いなくスピンに入ります。


昨年の事故について、事故調査委員会のレポートが出ていないので、
この事例といえる訳ではありませんが、スピンに入らない機体がなぜ?
という知見で事故を見ている方々にはぜひ知識を深めていただきたいと思います。


末筆ですが、学生選手の安全な飛行を切に願っています。